はじめまして、聴覚障がいをもつ赤ちゃんを授かったお母さん、お父さん。
お医者さんから「お子さんは耳に障がいをおもちです」と告げられたとき、かなりのショックを受けられたことでしょう。我が子に聴覚障がいがあるなんて…夢であってほしいと何度も思ったことでしょう。
聞こえない世界ってどんな世界?どのように勉強し、どんな仕事に就くの?コミュニケーションは手話しかないの?…ほとんどの親は未知の世界に不安を抱きます。
私の親もそうでした。
私は聴覚障がいをもちながら30年以上生きてきました。
幼稚部から高校まで聴覚特別支援学校(以前は聾学校と呼ばれていました)に通い、大学を卒業後は10年ほど中学数学の教員として聴覚特別支援学校で働きました。
生徒指導部主事としても活動し、0歳から15歳までの聴覚障がいをもつ子どもたちを支援してきました。
聴覚障がいを持つ我が子を抱いて、聴覚特別支援学校の門をくぐる保護者の気持ちに共感します。
私が伝えたいのは、「聴覚障がいをもつ人生も幸せであること」です。
もしも「聞こえるようになる薬」が手に入ったとしても、私はそれを受け入れません。
なぜなら、聞こえるようになったからといって、今以上に幸せになるとは限らないからです。
聞こえない世界から去ることが嫌なのです。
もちろん、「音楽の魅力をもっと知りたい」、「あの人の本当の声を聞きたい」、「ドライブスルーでスムーズに注文したい」といった気持ちもあります。
それでも私は、聞こえないままの人生がいいと思っています。
「聞こえない」は、「走るのが苦手」、「計算が苦手」と同じように、人間の一つの個性だと私は考えています。
聴覚障がいをもつ子どもたちやその家族に対する理解と支援が必要です。
私の経験を通じて、このテーマに関する情報やサポートが必要な方々に、私の声が届くことを願っています。
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